知っておきたい円形脱毛症のこと
髪について質問
先生、「円形脱毛症」って、10円玉みたいに頭が禿げちゃう病気のことですよね?
髪に関する研究家
そうだね。10円玉のような形に脱毛するから、俗に10円ハゲとも呼ばれているよ。でも、必ずしも10円玉の大きさとは限らないし、形も円だけじゃなくて楕円形になることもあるんだ。
髪について質問
へえー、そうなんですね。大きさや形は色々あるんですね。ところで、なんで円形脱毛症になるんですか?
髪に関する研究家
実は、自分の体の免疫の力が関係していると考えられているんだ。免疫は、体に入ってきた悪いものと戦う力なんだけど、円形脱毛症の場合は、この免疫が自分の髪の毛を攻撃してしまうことで脱毛が起こると考えられているんだよ。
円形脱毛症とは。
頭の一部が円形や楕円形に毛が抜けてしまう病気について説明します。この病気は、男性だけでなく女性や子供もかかる可能性があります。自分の体の免疫の働きが関係していると考えられており、俗に10円ハゲとも呼ばれています。
円形脱毛症とは
– 円形脱毛症とは円形脱毛症は、自分の免疫機能が誤って髪の毛の根っこである毛包を攻撃してしまうことで起こる病気です。免疫機能は本来、細菌やウイルスなど体にとって異物となるものから体を守る働きをしていますが、円形脱毛症の場合、この免疫機能が何らかの原因で自分の毛包を攻撃してしまうと考えられています。その結果、頭皮に円形や楕円形の脱毛斑が生じます。これは、一般的に「10円ハゲ」と呼ばれることもあります。この病気は、男性、女性、子供といった年齢や性別を問わず発症する可能性があります。多くの場合、最初に頭皮に一箇所または複数の脱毛斑が現れます。脱毛斑は、完全に毛が抜けてしまい、つるつるした状態になることが特徴です。また、症状が進行すると、頭皮全体や眉毛、まつ毛、体毛など、全身の毛が抜けてしまうこともあります。円形脱毛症の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、遺伝的な要因やストレス、アレルギー、自己免疫疾患など、様々な要因が関係していると考えられています。円形脱毛症は、多くの場合、自然に治癒することがあります。しかし、症状が長引いたり、再発を繰り返したりする場合は、治療が必要となることもあります。治療法としては、ステロイド剤の外用薬や注射、免疫療法などがあります。
項目 | 詳細 |
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定義 | 自分の免疫機能が誤って髪の毛の根っこである毛包を攻撃してしまうことで起こる病気 |
症状 | 頭皮に円形や楕円形の脱毛斑が生じる。
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対象 | 男性、女性、子供といった年齢や性別を問わず発症する可能性がある |
原因 | 遺伝的な要因やストレス、アレルギー、自己免疫疾患など、様々な要因が関係していると考えられているが、完全には解明されていない。 |
経過 |
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治療法 | ステロイド剤の外用薬や注射、免疫療法など |
症状と特徴
– 症状と特徴
円形脱毛症の最も目立つ特徴は、頭皮にできる円形または楕円形の脱毛斑です。これは、まるでコインでくり抜いたように、毛が全くなくなってしまう状態です。脱毛斑は、痛みやかゆみ、赤みなどの自覚症状を伴わないことが一般的です。そのため、自分で気づかずに、美容院で指摘されて初めて気づくというケースも少なくありません。
脱毛斑は、大きさや数が人によって大きく異なります。最初は小さな脱毛斑が一つだけの場合もあれば、複数の脱毛斑が同時に現れる場合もあります。また、脱毛斑が次第に大きくなったり、互いに繋がって大きな脱毛斑になることもあります。さらに、一度治ったように見えても、再び脱毛が起こることもあり、その頻度も人それぞれです。
円形脱毛症は、頭皮だけでなく、眉毛やまつ毛、髭、体毛など、全身の毛が抜けてしまう可能性もあります。症状が全身に及ぶ場合は、「汎発性円形脱毛症」と呼ばれます。
また、円形脱毛症は、爪にも症状が現れることがあります。爪の表面に小さな凹凸が現れたり、変形したりすることがあります。爪の症状は、脱毛斑と同時に現れることもあれば、脱毛斑よりも先に現れることもあります。
円形脱毛症は、症状の出方や進行の程度が非常に多様な病気です。
症状 | 特徴 |
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頭皮の脱毛 | – 円形または楕円形の脱毛斑 – 痛みやかゆみ、赤みなどの自覚症状を伴わないことが多い – 大きさや数は人によって異なる – 再発の可能性あり |
全身の脱毛 | – 頭皮だけでなく、眉毛、まつ毛、髭、体毛などにも起こる可能性あり – 全身に及ぶ場合は「汎発性円形脱毛症」と呼ばれる |
爪の症状 | – 小さな凹凸が現れたり、変形したりする – 脱毛斑と同時、または先に現れることがある |
原因と発症メカニズム
– 原因と発症メカニズム
円形脱毛症は、その名の通り、頭皮の一部分または全身の毛が抜け落ちてしまう病気です。はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、いくつかの要因が考えられています。
まず、遺伝的な要因が挙げられます。家族に円形脱毛症の患者がいる場合、発症する可能性が高くなるというデータがあります。これは、特定の遺伝子が関わっている可能性を示唆しています。
次に、環境要因も影響していると考えられています。ウイルス感染や栄養不足、睡眠不足、過労などが免疫力の低下に繋がり、円形脱毛症の引き金になる可能性があります。
また、ストレスも大きな要因の一つとして考えられています。精神的なストレスやショックがきっかけで発症するケースも少なくありません。
これらの要因によって、本来は体を守るはずの免疫システムが、自分の毛包を攻撃してしまうと考えられています。毛包は毛を作り出す器官ですが、免疫システムがこれを「異物」と誤って認識し、攻撃することで脱毛が引き起こされます。
さらに、アトピー性皮膚炎や甲状腺疾患など、免疫システムが過剰に反応してしまう自己免疫疾患を持つ人は、円形脱毛症を発症するリスクが高いという報告もあります。
このように、円形脱毛症の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。そのため、治療法も患者さんの状態に合わせて選択する必要があります。
治療法
– 治療法
円形脱毛症の治療は、その症状の現れ方によって様々です。脱毛部分の大きさや脱毛箇所の数、脱毛の進行状況、そして患者様の年齢や健康状態などを総合的に判断し、最適な治療法を選択します。
一般的に、円形脱毛症の治療では、ステロイド外用薬が用いられます。ステロイド外用薬は、頭皮に直接塗布することで、炎症を抑え、毛髪の成長を促します。炎症が鎮静化することで、毛髪が再び成長しやすい環境が整えられます。
また、局所免疫療法も有効な治療法の一つです。これは、アレルギー反応を引き起こす物質を頭皮に塗布することで、免疫システムの反応を調整し、毛髪の再生を促す治療法です。免疫システムの過剰な反応を抑えることで、毛髪の成長を阻害する要因を取り除き、発毛を促します。
円形脱毛症は、自然に治癒する場合もありますが、適切な治療を受けることで、より早く、確実に治癒に導くことができます。症状が気になる場合は、自己判断せずに、皮膚科専門医にご相談ください。
治療法 | 説明 |
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ステロイド外用薬 | 頭皮に塗布して炎症を抑え、毛髪の成長を促します。 |
局所免疫療法 | アレルギー物質を塗布し、免疫反応を調整して毛髪の再生を促します。 |
生活上の注意点
– 生活上の注意点円形脱毛症は、その原因がまだ完全には解明されていませんが、ストレスや生活習慣が大きく関係していると考えられています。ですから、症状を改善し、再発を防ぐためには、普段の生活の中で気を付けるべき点がいくつかあります。まず、規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとることが重要です。睡眠不足や不規則な生活は、自律神経のバランスを乱し、体の免疫機能を低下させてしまいます。免疫力が低下すると、円形脱毛症の発症リスクが高まると言われていますので、出来るだけ毎日決まった時間に寝起きし、質の高い睡眠を十分に確保するように心がけましょう。また、バランスの取れた食事を摂ることも大切です。特に、髪の毛の成長に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどを積極的に摂取するようにしましょう。インスタント食品や加工食品ばかりに頼らず、栄養バランスを考えた食事を心がけることが大切です。さらに、ストレスをため込まないようにすることも重要です。現代社会において、ストレスを完全に無くすことは難しいですが、自分なりのストレス解消法を見つけるようにしましょう。軽い運動や趣味、十分な睡眠など、心身のリラックスを得られるものを見つけて、ストレスを上手に発散することが大切です。頭皮への負担を減らすことも重要です。髪を強く引っ張ったり、ゴシゴシと洗ったりすることは、頭皮に刺激を与え、症状を悪化させる可能性があります。シャンプーをする際は、指の腹を使って優しく洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流しましょう。これらの生活習慣の改善を心がけても、症状が改善しない場合や、他に不安な症状がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。専門医の適切な診断と治療を受けることが、円形脱毛症の克服への近道です。