ヘアスタイルの要！オーバーセクションを理解しよう

ヘアスタイルの要！オーバーセクションを理解しよう

オーバーセクションとは？

髪を切る際、全体を上下に大きく分けることをセクション分けと言いますが、その上の部分をオーバーセクションと呼びます。一般的には、頭の骨の中で一番出っ張っている後頭部の部分で分けます。しかし、お客様一人ひとりの頭の形や髪質、そしてどのようなヘアスタイルにしたいかによって、最適な分け目は異なります。例えば、頭頂部がつぶれやすい方は、オーバーセクションを少し広めに取ることで、仕上がりのボリューム感を調整することができます。このように、オーバーセクションの分け方一つで、ヘアスタイル全体の印象は大きく変わります。オーバーセクションは、ヘアスタイルの土台となる重要な部分と言えるでしょう。

ヘアスタイルの土台を作る

ヘアスタイルは、いわば建物のようなものです。どんなに素敵なデザインでも、土台がしっかりしていなければ、美しさは半減してしまいます。ヘアスタイルにおける土台とは、まさにオーバーセクションのこと。髪の表面に見え隠れするこの部分は、動きや流れを生み出す、言わばヘアスタイルの要となる部分と言えるでしょう。
オーバーセクションのカットの仕方一つで、ヘアスタイル全体の印象は大きく変わります。ふんわりとした優しい雰囲気にも、シャープですっきりとした印象にも、自在に変化させることができるのです。そのため、美容師は、お客様一人ひとりの骨格や髪質、そしてなりたいイメージをしっかりと把握し、丁寧にセクション分けを行い、カットを進める必要があります。
例えば、丸顔の方であれば、トップにボリュームを持たせることで縦長のシルエットを強調し、小顔効果を狙うことができます。反対に、面長の方であれば、サイドにボリュームを出すことで顔の縦の長さをカバーし、バランスの取れた印象にすることができます。
このように、オーバーセクションは、お客様の個性を引き出し、魅力を最大限に引き出すための、非常に重要な要素なのです。

ケーススタディ：丸みのあるショートボブ

– ケーススタディ丸みのあるショートボブ

頭頂部から襟足にかけてのボリュームが少なく、平面的な印象を与えてしまう髪質の方はいらっしゃいませんか？実は、丸みを帯びた女性らしいショートボブにカットすることで、そんな悩みも解消できるんです。

まず大切なのは、髪全体のバランスを整えること。具体的には、ボリュームが不足しがちな下の部分（アンダーセクション）は、梳かずに丁寧にアウトラインを整えていきます。毛先を軽くするのではなく、毛束をなるべく残すようにカットすることで、自然な丸みとボリュームが生まれます。

トップにはレイヤーを入れ、ふんわりと仕上げることで、さらに立体感が生まれます。サイドの髪は、顔周りに沿わせるようにカットすると、小顔効果も期待できます。

丸みのあるショートボブは、柔らかな印象を与え、女性らしさを引き立ててくれるスタイルです。平面的な髪質にお悩みの方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか？

三日月セクションで軽やかさを演出

頭のシルエットを美しく見せるためには、部分的な髪の量の調節が大切です。特に、後頭部の骨が出っ張っている部分、別名三日月セクションと呼ばれる箇所は要注意です。

この三日月セクションは、毛量が自然と多くなってしまうため、髪型全体が重く見えがちです。また、後頭部にボリュームが出過ぎてしまうことで、襟足が潰れてしまい、せっかくのうなじも台無しになってしまいます。

そこで、この三日月セクションの毛量を調整することで、軽やかで美しいシルエットを作ることができます。毛量を減らすことで、後頭部にふんわりとした丸みが出て、女性らしい柔らかな印象を与えることができます。また、襟足もスッキリと見えるようになるため、横顔や後ろ姿をより美しく見せる効果も期待できます。

オーバーセクションのカットで調整

襟足にボリュームを出すカット技術として、オーバーセクションがあります。オーバーセクションとは、表面の髪を短くカットすることで、内側の髪に段差を作るテクニックです。この段差があることで、毛束が重なり合い、自然なボリュームが生まれます。

さらに、オーバーセクションでカットした髪を、レザーを使って削ぐように整えることで、より繊細なボリューム調整が可能になります。レザーは、ハサミよりも毛先を柔らかく仕上げることができるため、自然で軽やかな印象になります。また、毛先に動きが出やすくなるため、エアリーなヘアスタイルを好む方にもおすすめです。

レザーカットは、毛量が多い方や、硬い髪質の方にも適しています。毛量を減らす効果はありませんが、毛先に軽さを出すことで、扱いやすい髪へと導きます。ただし、レザーを使いすぎると、パサつきや枝毛の原因となる可能性もあるため、経験豊富な美容師に相談しながら施術を受けるようにしましょう。

セクション分けの重要性

ヘアスタイルをデザインする上で、セクション分けは非常に重要なプロセスです。まるで絵を描く前にキャンバスを準備するように、髪をブロッキングすることで、理想のヘアスタイルに近づけるための土台作りをすることができます。

髪をいくつかのセクションに分けることで、毛流れや毛量をコントロールしやすくなるため、カットやカラー、パーマなどの施術が格段にしやすくなります。例えば、髪の量が多い部分を細かくセクション分けすることで、均一に薬剤を塗布することができ、ムラのない美しい仕上がりに繋がります。

また、頭の形は人それぞれ異なるため、骨格に合わせたセクション分けをすることで、ヘアスタイルのバランスを整え、より魅力的なシルエットを創り出すことができます。丸みを強調したいのか、逆に抑えたいのか、顔周りをどのように見せるかなど、目指すヘアスタイルによって最適なセクション分けは異なります。

このように、髪の量や骨格、そして目指すヘアスタイルによって、セクションの分け方を変えることで、デザインの幅は大きく広がります。セクション分けは、単なる作業ではなく、ヘアスタイルの完成度を左右する重要なプロセスと言えるでしょう。