CMC

髪質

髪の強度を保つ間充物質の役割

私たちの髪の毛は、一本一本が精巧な構造を持っています。まるで木の幹のように、中心部から外側に向かって層が重なり合うことで、あの独特の強靭さとしなやかさを生み出しているのです。 まず、髪の毛の一番中心にあるのが「毛髄質」と呼ばれる部分です。ここは、髪の毛の芯となる部分で、空洞になっていたり、スポンジのように細かい細胞が集まってできています。毛髄質には、メラニン色素を含む顆粒が存在し、髪の毛の色に影響を与えています。ただし、毛髄質は髪の毛の太さによって存在しない場合もあり、特に細い髪の毛には見られないことが多いです。 毛髄質を包み込むように存在するのが「毛皮質」です。ここは、髪の毛の大部分を占める層であり、繊維状のタンパク質が束になって構成されています。このタンパク質の結合の仕方が、髪の毛の強度や弾力性を左右します。また、毛皮質にはメラニン色素も含まれており、毛髄質と同様に髪の毛の色に影響を与えています。パーマやヘアカラーはこの毛皮質に作用することで、髪の毛の形や色を変化させています。 そして、髪の毛の最外層を覆っているのが「毛小鱗片」と呼ばれる部分です。ここは、硬くて透明な薄い細胞が、魚の鱗のように重なり合ってできています。毛小鱗片は、外部からの刺激から髪の毛内部を守る役割を担うとともに、髪の毛のツヤや滑らかさを決める重要な部分です。毛小鱗片が整っていると、光が綺麗に反射してツヤのある髪の毛に見えますが、傷んで剥がれてしまうと、髪の毛の表面がざらついてパサついた印象になってしまいます。
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髪の強度を保つCMCの役割とは?

私たちの髪は、大部分がケラチンと呼ばれるたんぱく質からできています。ケラチンは、爪や皮膚などにも含まれており、体の外側を保護する役割を担っています。しかし、髪を構成する物質はケラチンだけではありません。実は、「CMC」と呼ばれる成分も、髪にとって重要な役割を担っています。 CMCは、「毛髪細胞膜複合体」の略称で、髪の内部を構成する繊維状のタンパク質同士を接着する役割を担っています。例えるなら、コンクリートの建物を建てる際に、鉄筋を繋ぎとめるセメントのような働きをしているのです。CMCは、水分や油分を保持する性質にも優れており、髪の潤いを保ち、パサつきを抑える効果も期待できます。 しかし、CMCはパーマやカラーリング、紫外線などの影響を受けやすく、ダメージを受けると髪の強度が低下してしまいます。枝毛や切れ毛、パサつきの原因となるため、日頃からCMCを補修するヘアケアを心がけることが大切です。